姫路に通じるデカンショ街道(国道362号線)と、池田から綾部に抜ける国道173号線が交わるする小野新交差点。
そこから北へしばらく走ると、東多紀アルプスの主峰ともいうべき八ヶ尾山が厳つい姿を見せる。
筱見四十八滝は八ヶ尾山の西方に位置し、岩稜が巍巍と連なる多紀アルプスの水が断崖層に多くの滝をつくり出した。
その落差は約130メートル、
始終(しじゅう)滝の水が流れていることから「四十八滝」と呼ばれるようになったという。下流のキャンプ場より順番に、
手洗い滝 →弁天滝 →肩ヶ滝 →長滝 →シャレ滝 →大滝 →二の滝 →一の滝
に至るまで、八つの滝が連なり、それぞれ個性的な表情を競い合っている。
中世、多紀連山を修行の場とする修験者たちは、
まず「四十八滝」で水垢離をしたのち八ヶ尾の大日堂に参じ、金剛、胎蔵の両行に入ったと伝えられている。
四十八滝めぐりは修験の場であっただけに決して楽な行程ではないが、岩場に咲くヒカゲツツジや谷のヤマザクラを楽しみながらの山登りはなかなか
快適だ。最後の垂直にそそり立つ10メートルあまりの鎖場を登り切った岩場からの眺望は素晴らしい光景である。
そして、そこから先は穏かな谷が広がりコナラやリョウブの林となり、炭焼き小屋の址、谷間を流れる透明の水、
なんとも牧歌的な風景が目を楽しませてくれる。
春にはホヤホヤとした新芽、夏には風にそよぐ若葉、秋には一面の紅葉…訪れるたびに
表情を変える雑木林の優しい風景は、滝めぐりで疲れた身体を一気に癒してくれること請け合いだ。
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