低山歩こう記-上筱見


筱見四十八滝を巡る

・2010年04月19日


四十八滝最上部の岩場より上筱見を遠望(20100419)

姫路に通じるデカンショ街道(国道362号線)と、池田から綾部に抜ける国道173号線が交わるする小野新交差点。 そこから北へしばらく走ると、東多紀アルプスの主峰ともいうべき八ヶ尾山が厳つい姿を見せる。 筱見四十八滝は八ヶ尾山の西方に位置し、岩稜が巍巍と連なる多紀アルプスの水が断崖層に多くの滝をつくり出した。 その落差は約130メートル、 始終(しじゅう)滝の水が流れていることから「四十八滝」と呼ばれるようになったという。下流のキャンプ場より順番に、
手洗い滝 →弁天滝 →肩ヶ滝 →長滝 →シャレ滝 →大滝 →二の滝 →一の滝
に至るまで、八つの滝が連なり、それぞれ個性的な表情を競い合っている。 中世、多紀連山を修行の場とする修験者たちは、 まず「四十八滝」で水垢離をしたのち八ヶ尾の大日堂に参じ、金剛、胎蔵の両行に入ったと伝えられている。
四十八滝めぐりは修験の場であっただけに決して楽な行程ではないが、岩場に咲くヒカゲツツジや谷のヤマザクラを楽しみながらの山登りはなかなか 快適だ。最後の垂直にそそり立つ10メートルあまりの鎖場を登り切った岩場からの眺望は素晴らしい光景である。 そして、そこから先は穏かな谷が広がりコナラやリョウブの林となり、炭焼き小屋の址、谷間を流れる透明の水、 なんとも牧歌的な風景が目を楽しませてくれる。 春にはホヤホヤとした新芽、夏には風にそよぐ若葉、秋には一面の紅葉…訪れるたびに 表情を変える雑木林の優しい風景は、滝めぐりで疲れた身体を一気に癒してくれること請け合いだ。


いざ登山(12:24) ・手洗い滝 ・弁天滝と肩ヶ滝 ・若葉がキレイ ・長滝とターキーブリッジ ・シャレ滝 ・岩場を攀じ登る

・谷を隔ててヒカゲツツジを見る ・岩場を登る ・中腹より上筱見を遠望(13:04) ・大滝 ・一の滝と二の滝(下) ・さらに登る


・歩こう - 参考マップ



・岩場からの遠望(13:28)  滝の上の広い沢 … 炭焼き小屋の址 / 若葉が爽やか / 滝へと流れる沢の谷川 / 八ヶ尾山への分岐(13:55) / 見事な雑木林が広がる 

遠くに霞む八ヶ尾山 ・635mピークを見る ・分岐の舞い戻り(15:01) ・遊歩道を巻いて行く ・多紀連山との分岐を過ぎる(15:17) ・いい感じの山道をひた下る(下山=15:52)




出会った─

猩猩袴 ・可愛い草 ・日陰躑躅 ・菫 ・若松 ・山桜 ・石楠花の蕾


四十八滝は多紀連山県立自然公園に含まれ、県指定の森林浴場50選の1つとして、青少年野外キャンプ場になっており、三岳登山の東口でもある。春にはヤマザクラ、ヒカゲツツジ、シャクナゲなどの花々が咲き競い、夏はキャンプ、秋には素晴らしい紅葉…、 文字通り四季折々に自然が堪能できる森林公園となっている。
かつて筱見付近は修験の山らしく、六ヶ寺が甍を並べていたというが、いまは僅かに福寿山多聞寺のみが残る ばかりである。また、上筱見は応仁の乱のとき、山名軍と細川軍とが戦ったところで、四十八滝の入り口には 戦没者を慰霊するためにつくられた筱見観音立像がある。自然と歴史が一体化したところ、それが「筱見四十八滝」 といえそうだ。 ところで、「筱見」は「シノミ」と読んだらしいが、いまは「ササミ」の読みが定着している。

【登山メモ】 キャンプ場スタート:1224 → 大滝:1309 → 岩場:1328 滝上の沢:1336 → (昼食) → 八ヶ尾方面へ:1355 → 分岐:1410 → 沢を捲いて分岐に戻る:1501 → 分岐:1508 → 多紀連山との分岐:1517 → キャンプ場へ下山:1552

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八ヶ尾山-歩記  53次・筱見四十八滝