十月のはじめ第一土曜に宵宮、日曜に祭礼が催される。宵宮祭には、飾り付けられた山車、太鼓御輿が各集落から神社に宮入して、境内を練りあるき、暗がりの中に提灯が揺れ、掛け声が響きあうさまは、豪快さと幻想ムードが一体化した華麗なものである。 本宮祭には、御旅所の若宮御輿や山車が渡御していく。還御が終わると、「流鏑馬」神事が行われる。境内と境内参道の三ヶ所に設けられた的に、馬上からそれぞれ三本の矢が射られる。「流鏑馬」は平安末期から鎌倉時代に盛んに行われたが、佐々婆神社では江戸時代の寛永二年(1625)頃から始まったと伝えられている。一時、中断されていたが、のちに復活されて現在に至っている。射手は氏子から選ばれた騎馬童子とよばれる少年で、「水干」に「綾藺笠」を着け、白重藤の弓をもって射る。今年はあいにくの雨となってしまい、「流鏑馬」神事は雨合羽を着て行われたが、その姿はなかなか凛々しいものであった。 |