篠山の祭り


佐々婆神社の秋祭

2008


十月のはじめ第一土曜に宵宮、日曜に祭礼が催される。宵宮祭には、飾り付けられた山車、太鼓御輿が各集落から神社に宮入して、境内を練りあるき、暗がりの中に提灯が揺れ、掛け声が響きあうさまは、豪快さと幻想ムードが一体化した華麗なものである。
本宮祭には、御旅所の若宮御輿や山車が渡御していく。還御が終わると、「流鏑馬」神事が行われる。境内と境内参道の三ヶ所に設けられた的に、馬上からそれぞれ三本の矢が射られる。「流鏑馬」は平安末期から鎌倉時代に盛んに行われたが、佐々婆神社では江戸時代の寛永二年(1625)頃から始まったと伝えられている。一時、中断されていたが、のちに復活されて現在に至っている。射手は氏子から選ばれた騎馬童子とよばれる少年で、「水干」に「綾藺笠」を着け、白重藤の弓をもって射る。今年はあいにくの雨となってしまい、「流鏑馬」神事は雨合羽を着て行われたが、その姿はなかなか凛々しいものであった。



・祭礼ムードの盛り上がる佐々婆神社 各集落の山車には「鳩」紋がみえる。




集落で宮入を待つ山車に御輿  八百里山をバックに宮入に向かう山車  本殿では神事が続く




・宮入した山車、御輿が練り歩くと宵宮は最高潮に。 流鏑馬神事-見事に的を射た騎馬童子


かつては、十基の山車と七基の太鼓御輿が宮入したというが、高齢化と少子化があいまって今年は山車が七基、太鼓御輿が四基というものであった。現代日本が抱える社会問題とはいえ、この華麗な祭礼をいつまでも続けて欲しいと願うのはわたしだけではないだろう。

【撮影:2008年10月4・5日】