篠山の祭り


小野原住吉神社の秋祭

2008


小野原の住吉神社の秋祭りは、十月第一土曜・日曜に行われるが、そのハイライトは「カエル踊り」であろう。 「カエル踊り」は宵宮に奉納される田楽で、稲刈りや稲木かけ、脱穀のほか、収穫を終えた田に鶴が舞い降りる姿を 表現したもので、豊作を祝う農耕儀礼を芸能化したものだといわれている。



・宵宮当日の住吉神社




・神事に関わると思われる境内の飾り物  田楽奉納が行われる長床




・ユーモラスな踊りに思わず見入ってしまう蛙おどり


「カエル踊り」と呼ばれるのは、「カエロ、カエロ」といって飛びかわることからとも、住吉神社の森が蛙の 蹲っている姿に似ていることで「蛙の宮」と呼ばれることにちなむともいう。いずれにしろ、 室町時代から継承されている古いものだ。 蛙おどりは「やすみ」「しこう」「いずまい」に分れ、順番に奉納される。最後の「いずまい」は、 三人の踊り手が一人ずつ締太鼓に合わせて扇を持って踊る。踊りは三、三、九度の繰り返しが基調で、 その踊る姿は単純で素朴ではあるが、なんともユーモラスに満ち充ちた楽しいものだ。
かつて、蛙おどりは南座、中座、北座という宮座が主体となって、各座に加入したばかりの末座の8人が踊り子として 奉納されていた。しかし、昭和四十一年(1966)より「住吉神社神舞奉仕会」が、さらに昭和五十四年からは 「住吉神社神舞保存会」によって継承され、現在に至っている。

【撮影:2008年10月4・5日】