始まりが告げられる ・子供たちも舞台に見入る ・大蛇の登場で境内が沸く
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村々を練り歩いてきた御輿が、急な石段を掛け声も勇ましく宮入、境内を豪快に練り歩いたのちに、
人形浄瑠璃「神変応護桜」の始まりが告げられる。
舞台は桜が描かれた幕を張っただけの簡素なもので、お囃子は拍子木と太鼓だけである。
拍子木の音に合わせて足を高くあげた禰宜が舞台を行ったり来たりして謡曲調の謡が始まり、
若侍八重垣が登場、つづいて現れた翁媼が孫娘稲田姫が大蛇への人身御供に当たった不幸を嘆き、
稲田姫が登場すると狂言調の語りとなる。
ふたたび禰宜が出てくると浄瑠璃調となり、左手から大蛇が登場するとそのユーモラスな姿もあって境内が一気に沸く。
そして、クライマックスである八重垣の大蛇退治の段にはふたたび謡曲調となり、大蛇が退治されて
「神変応護桜」は幕となる。
場面によって調子が変わるという変化に富んだ内容で、
平成四年三月に大阪・国立文楽劇場で公演が行われたのも頷ける技術の高いものである。
現在、「人形狂言保存会」が組織され、後世に伝えるべき有形、無形の民俗文化財として保存継承が努められている。
今年の篠山は築城400年目という節目の年にあたり、市をあげて一大イベントが開催されている。
それとタイアップしてだろう新しくパンフレットが制作され、人出も例年以上に多く、祭礼はおおいに盛り上がっていた。
素朴といえばその通りかもしれないが、この愛すべき素晴らしい民俗芸能を、
さらに多くの人に楽しんでほしいと願っている。
・人形狂言芝居の歴史が分かるパンフレット
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【撮影:2009年10月11日】
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