篠山市西紀町の北方に峨々たる山並みを見せる鋸山、文字通りノコギリの歯のごとき山容を見せ
篠山市と丹波市の市境をなしている。
鋸山への登山道は西紀の高坂から東鏡峠を経て、鋸山に続く尾根を西走するのが一般的なようだが、
今回は鋸山から南に伸びる尾根筋先端にある小坂城を経由するコースを選んだ。
小坂に鎮座する明月神社後方にも小坂城の出曲輪があるといい、それではと明月神社右手にある摂社より山に分け入った。
小坂城は主郭を中心に帯曲輪が取り巻き、切岸も明確で、北方尾根には堀切も切られている。
小さいながらも、よくまとまった縄張の城であった。小坂城からは、荒れ気味の尾根道をひたすら登り続けることになる。
アンテナ施設を過ぎ、左手に見え隠れする夏栗山をながめつつ、尾根をたどっていくと広い雑木林に出た。
右手には目指す鋸山が姿をあらわし、右は鋸山、左は鏡峠へと続く尾根へと登りついた。
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鋸山への尾根道は明確だが、岩場が多く、鋸山の名にふさわしい険しさである。
慎重に岩場をたどっていくと、おりから開花シーズンをむかえたヒカゲツツジの黄色い花が満開である。
岩と花、なかなか野趣に富んだ尾根を登りきると鋸山の頂上に到着である。山上からの展望は抜群で、
東方に多紀連山の主峰三嶽・西ヶ嶽・小金ヶ嶽が連なり、北方は丹波市の山々、
西方には三尾山・夏栗山と黒頭峰、南には篠山市街から松尾山・白髪岳が一大パノラマとして広がっている。
春夏秋冬、季節を変え、コースを変えて登ってみたい山である。
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