中口山は丹波と播磨の境界上に聳える西光寺山の北方に位置する山で、
南西山麓にはジャパンビバレッジゴルフ場が味気なく広がっている。
播磨と丹波の境をなす比延峠から、あるいは黒石ダムなどから登り道があるそうだが、
今回は、もっとも最短コースと思われる二万五千分の一地図に記された西脇方面からの破線のコースを選んだ。
竹薮の中に道を発見して分け入ったものの、道はすぐに消えてなくなってしまった。
あとは植林帯を通り抜け、急斜面の尾根筋を激登りして尾根へと攀じ登る。
尾根は雑木の林で、踏み跡もあり、見晴こそないが軽快な山歩きコースとなっている。
553mのピークには、石杭と剥げた「境界見出標」のプラ板が下がっていて格好の目印である。
その先の尾根を進んでいくと赤いプラスチックの杭が三本埋められた分岐点に到着、
きれいなピークで右に進めば遠く西光寺山へ、
左手に進めば目指す中口山だ。
中口山へ続く尾根は気持のよい雑木林の道だったが、やがて背丈以上の笹藪があらわれる。
一瞬、躊躇ったが、点々と埋められたポールと薄い踏み跡を頼りに直進する。
藪を抜けるとふたたび軽快な尾根となり、ふたたび笹藪の登りとなる。
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顔面を笹の攻撃にさらされながら
掻き分けていくと、笹薮の中にポッカリと切り開かれた山頂に三角点は埋まっていた。
周囲は見渡す限りの笹藪で、わずかに南西方に西光寺山が見えるばかりである。
小休止したのち、ふたたび笹薮を漕いで分岐に戻り、登り口を目指した。
尾根道は軽快で、そのまま比延峠まで勅使したい誘惑にかられたが、
「ルーキーズ」の再放送を見なければならないと思いなおして急斜面の尾根を激下りした。
次は比延峠から取り付き、西光寺山までの長丁場を縦走するのも楽しいかも…、
そんな気にさせるいい感じの尾根道であった。
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