京都と兵庫を結ぶデカンショ街道が通じる天引峠、
トンネルの完成で県境の峠を越えるという風情はなくなってしまった。
むかしは、曲がりくねったツヅラ折れの山道を、春の桜、秋の紅葉を楽しみながら
兵庫篠山と京都亀岡を往来したものである。
嶽筋は京都と兵庫の県境をなす尾根筋にあるピークで、
旧天引峠より関電鉄塔の巡視路を利用して尾根に取り付いた。
最初の鉄塔を越え、二番目の鉄塔への分岐を過ぎ、さらに山道は県境の尾根筋を南へと続いている。
嶽筋へは二番目鉄塔の先の分岐点から伸びた尾根を登り切ったところで、
潅木で覆われた山上に三等三角点の柱石がヒッソリと埋まっていた。
嶽筋を踏破したのち南へと続く山道へと戻り、下山目標地とした「ささやまの森公園」をめざす。 山道は明快で途中の岩場から深山を遠望、尾根筋を登っていくと迷うことなく満燈山の頂上に到着。 満燈山は「ささやまの森公園」の一部であり、さらに道は明快となり、要所に案内板も立てられている。 やがて蛇岩を過ぎると深山方面との分岐になる526mのピークで、北方に多紀連山、西に弥十郎、 南には深山が望めるビューポイントだ。 昨年(2009/11)、深山に登ったときに下った道を再び公園へと下っていく。 昨年は燃えるような紅葉のときであったが、今回は萌えたつような若葉の季節である。 よく整備された山道は明快、前面に見え隠れする八幡谷ダムを見つつ「ささやまの森公園」へ下り立った。 |
「ささやまの森公園」は、四季折々の森の変化を楽しみ、
豊かな自然の営みを感じることができる公園として整備されたところで、
自然の起伏を生かした全長13Km、8コースの散策路で結ばれた本格的ハイキングコースが設けられている。
兵庫県と大阪府の境の庫阪峠、大阪・京都・兵庫の三府県が境を接する舩谷山を越え、 三府県境に聳える名山深山へと通じる登山コースの登り口でもある。また、庫阪峠手前のキレイな斜面には 市指定の天然記念物「ナツツバキ」の高木が自生している。 「高さ15m、幹周り1mあるナツツバキの木は珍しく貴重」といわれるもので、七月ごろに白い花を 咲かせるそうだ。深山の再訪と併せて、その可憐な花をジックリと見たいものである。 |