篠山市の東方を走る国道173号線を綾部に向かって北上、福井交差点を通り過ぎた左前方に見えるのが
八ヶ尾山である。丹波修験道の山として知られる多紀アルプスの東端に位置し、
修験者は筱見の四十八滝で身を清めたのち八ヶ尾山の大日尾の大日如来に参拝、
小金ヶ嶽から御嶽、西ヶ嶽へと続く山々を難行苦行したと伝えられる。
八ヶ尾山への登山道はかつて修験者が往来した筱見の四十八滝から登るコース、
小原の大日堂方面から登るコースなどがある。また、北西山麓の川阪集落より長駆、筱見の四十八滝を経て
八ヶ尾山を目指す健脚者もいるそうだ。
八ヶ尾山は修験の山として登れば筱見四十八滝から、山城を目指して登ればイヤ谷方面からが、
それぞれあるべき登り道になるだろうか。本リポートは、弁天さまの祠よりイヤ谷西方の尾根を直登した。
修験の山らしく岩場が多いが、思った以上に道は分かりやすく、
目印の赤いテープに加えて県警のテープなどが要所にあって迷うことなく頂上にたどり着くことができた。
八ヶ尾山は多紀郡から船井郡に通じる街道を押さえる要所を占め、
修験の山として行者の往来も多かったことから、
山頂には戦国時代末期に明智光秀が築かせたという山城跡も残っている。
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頂上からの展望は文字通り360度の大パノラマで、西方に多紀連山、東方に雨石山から櫃ヶ嶽、
南方には弥十郎ヶ嶽・深山、北方には京都の山々が一望できる。
急斜面をよじ登ってきた疲れなど一気に吹き飛ぶ素晴らしいものだ。
頂上に立てられた木標を見ると、世界の主要都市を指し示す木片が打ち付けられ、その手作り感がなんとも面白かった。
山上平坦地の一角にある三角点は、何故か四隅が削り取られている。
何者が、どのような目的でそのような不心得なことをしたのだろうか…?、あるいは何かの呪い…?
世の中には奇妙なことをする人がいるものである。
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