篠山北方に屹立する多紀連山、それに相対するかのように篠山西方に聳えるのが白髪岳である。
標高721メートル、肩をいからしいたかのような姿はなかなか見事なものである。
隣接する松尾山の山上には、中世の多紀郡西方に勢力を張った酒井党の山城があり、
さらに山岳修験の寺として栄えた松尾山高仙寺の址が残っている。
白髪岳への登山道は南側の住山集落からのコースが一般的だが、北方の文保寺からの松尾山を経て登るコース、
東方の南八代からのコース、大沢ロマンの森を経て松尾山→白髪岳へと至るコースなどがある。
文保寺、大沢ロマンの森から登った場合、それぞれの山道は肩越えの辻で合流する。肩越えの辻を
左手に登れば松尾寺址、真っ直ぐに登れば白髪岳への道となる。山道の傍らには石仏が祀られ、
松尾山への分岐を過ぎると、木の間越しに目指す白髪岳が見えてくる。
道が急坂になってくると白髪岳も間もなくだが、コース最大の難関ともいえる岩登りとなる。
ロープを手繰りながらしばらく登ると、目指す白髪岳の山頂に到着だ。
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山頂にはゴツゴツした岩場の合間に二等三角点が埋まり、山名の書かれた素朴な木製の標識が立てられている。
それほど広くはないが、いま登って来た松尾山のコースをはじめ、西光寺山、虚空蔵山、夏栗山と黒頭峰、
そして多紀連山が一望できる。その一大パノラマ風景は、登山の疲れを吹き飛ばしてくれる素晴らしさだ。
白髪岳は松尾山とセットで登れば、中世の祈りを秘める寺院址、猛々しい武者の拠った山城址、
加えて四季折々の自然…などなど、バラエティに富んだ山歩きを楽しめるところだ。
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