ヘッダ



家紋夜話 ……J

中世土豪の系譜をひく「保津五苗」を訪ねる

保津集落内の石垣
保津集落内の石垣

亀岡市街の北方を流れる大堰川、その北側にある保津集落は、中世地侍の系譜をひくという「保津五苗」と称される名字がある。 すなわち、桂、村上、永井、長尾、石川の五姓である。「保津五苗」は保津の氏神である請田神社の祭祀も執行するなど勢力があった。
また、「保津五苗」が続く保津集落の山側には南北朝時代の記録にも登場する保津城跡があり、明智越えと称される京へ通じる山道が城跡を通過している。 一説に、明智光秀は明智越えを通って愛宕神社に参籠、織田信長襲撃を決意したのだという。

保津城跡 スペース 明智越えの道
保津城跡の曲輪と切岸 ・ よく踏み固められた明智越えの道

中世末期から江戸時代をたくみに生き抜いた保津五苗の家々は、果たしてどのような家紋を用いているのだろう?
家紋探索に訪ねた保津集落内に残る保津五苗の子孫であろう家々の蔵や屋根瓦を見ていくと、桂家は「梅」、村上家は「丸に上の字」、 石川家は「違い鷹羽」が打たれている。それぞれ「なるほど地侍の子孫だ」 と思わせる豪壮な屋敷揃いである。

村上家住宅 スペース に村上家の上文字
遠目にも豪壮な村上家住宅 ・ 植栽越しに村上家の「上文字」紋を見る

なかでも、ひときわ豪壮な住宅構えの村上家は「秀吉所縁の榧の木」があるということで、その歴史の古さに驚かされた。さらに、 中世以来のものか?と思わせる桂家の立派な石垣、何気なく覗いた竹藪のなかに佇む古寂びた五輪塔などなど、相当の歴史を感じさせる

桂家の梅 スペース 五輪塔群
桂家の「梅」紋を焼いた瓦 ・ 竹藪の中に古い一石五輪塔群

集落内にあるお寺にもお邪魔して家紋調査をしたかったのだが、気軽に入れる雰囲気ではなく、柄にもなく気後れして調査は割愛したことだった。 集落内に屋敷を見つけられなかった永井家と長尾家は共同墓地で墓所を探索、永井家の「一文字に三つ星」、長尾家の「丸に花菱」を確認できた。 それぞれの家のルーツ、家紋の謂れまでは探究できなかったが、ともあれ「保津五苗」の家紋を採取することができた。

・保津五苗の家紋

保津五苗の紋

桂家の「梅」・村上家の「上文字 ・永井家の「一文字三つ星」
長尾家の「丸に花菱」・石川家の「違い鷹羽」



保津集落とは別に、亀岡市内の馬路集落に中世以来の歴史を有する「両苗」と称される中川、人見氏、それにつづく畑、中沢、河原の三名字を併せた馬路の五名字の家紋を探索した。
馬路集落も保津集落と同じく大堰川の北側に位置しており、一時期、日本中を土地開発に狂奔させた列島改造論の荒波に流されることなく、それぞれ中世以来の名字が連綿と続いている。 なんとも有り難いことであり、これからも古い名字と家紋を保存していってほしいところだ。


家紋 World 風雲戦国史


地方別武将家 由来を探る 社家

どこの家にも必ずある家紋。家紋にはいったい、 どのような意味が隠されているのでしょうか。
家紋の由来にリンク 家紋の由来にリンク


戦場を疾駆する戦国武将の旗印には、家の紋が据えられていた。 その紋には、どのような由来があったのだろうか…!?。
由来ロゴ
家紋イメージ

わが家はどのような歴史があって、 いまのような家紋を使うようになったのだろうか?。 意外な秘密がありそうで、とても気になります。
家紋を探る
………
系譜から探る姓氏から探る家紋の分布から探る家紋探索は先祖探しから源平藤橘の家紋から探る
www.harimaya.com