変形のパターン


家紋にはそれぞれ原形がある。菊、梅、桜、桔梗などの花紋は、自然にある花の形の美しさを写実的に形象化し、 次第に図案化している。たとえば、その図柄から「井桁に菊」と呼ばれる家紋は、 本来は「籬架(マセ)菊」といい、木や竹などを組んで作った垣根に菊を植えた情景を紋章化したものである。 室町時代後期に成った『見聞諸家紋』には写実的な籬架菊紋が記され、逸見駿河入道が用いたものであった。 江戸時代になると簡略化され、ついには幾何学的な図柄になってしまった。「井桁に菊」紋は徳川旗本夏目氏の 紋として知られるもので、その一族に生まれた明治の文豪夏目漱石も「井桁に菊」紋を用いた。

籬架(マセ)菊の意匠変化



籬架菊紋の変化は極端な例に属するものだが、桐、蔦、柏などの植物紋もその葉や花の特徴を、 素直に直裁簡明に写しとり、時代を経るにつれ端正優美なかたちに仕上げている。これらがさまざまな理由から変化し、多彩なバリエーションを生み出して、現在のように多くの家紋が生まれていったと考えれられよう。 家紋の数は、家の増加に連れて増えていく。しかし、無限に変化し不規則に増加しているわけではない。 その変化にはおのずとルールがあり、一定のパターンがみられる。
家には祖先がある。そして、本家・分家の区別がある。家紋は家の印でもあるわけだから、分家は本家の紋を原形とし、その一部を変更するなどして、自家の定紋を定めることが多い。 本家と分家の紋は似ているが、完全に同じではない。いわゆる遺伝に似ている。とはいえ、そこにはある種の系統ができ、類似もできる。なかには突然変異も起こる。しかし、それらも大きなルールのなかのに織り込まれていくようだ。

桔梗紋の変形パターン

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[資料:家紋の事典(真藤建志郎著:日本実業出版社)]

戦場を疾駆する戦国武将の旗印には、家の紋が据えられていた。 その紋には、どのような由来があったのだろうか…!?。
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家紋イメージ


2010年の大河ドラマは「龍馬伝」である。龍馬をはじめとした幕末の志士たちの家紋と逸話を探る…。
幕末志士の家紋
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応仁の乱当時の守護大名から国人層に至るまでの諸家の家紋 二百六十ほどが記録された武家家紋の研究には欠かせない史料…
見聞諸家紋
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