低山歩こう記-真南条上


愛宕山に登る

・2008年12月20日


愛宕山頂上から篠山市街を見る

愛宕山は篠山盆地の南、摂津と丹波の国境を画する連山の西部に位置する双耳峰で、三国ヶ岳、中ノ尾(中尾ノ峰)と併せて太平三山と呼ばれている。北麓にある太平山龍蔵寺は、大化年間(645)、法道仙人によって開かれたとと伝えられる天台宗の古刹で、山号は太平三山からとったもののようだ。龍蔵寺の奥の院とでもいうべき愛宕堂をめざし、さらに愛宕山の山頂をめざす。龍蔵寺は山岳修験道の寺院だけに、愛宕堂に続く道は岩石が連なった急坂だ。登山道の傍らにはかつて七十二坊を数えたという堂宇跡の石垣がきれめなく続き、加えて石仏が静かに見守ってくれている。




龍蔵寺鐘楼側にある愛宕堂への登り口 →急坂が続く →要所に石仏が



登山道の傍らにはかつての僧坊跡の石垣が随所に →愛宕堂を取り巻く見事な石垣 →愛宕堂への崩落寸前の石段



寂びさびとした雰囲気に包まれた愛宕堂 →標識をたどりつつ山頂へ →山頂の標識(約二時間の行程)


愛宕堂は壮大な石垣のさらに上に鎮座しているが、正面の石段は崩落寸前で、裏道をまわって参拝をすませる。愛宕山頂へはお堂を少し下がったところから分かれた道をたどることになる。はじめこそ軽快な尾根道が続くが、お地蔵さんを過ぎたあたりから油断のならないあ急坂をひたすらよじ登る。山頂で小休止をとったのち、さきの急坂をロープを頼りに一気に下る。愛宕堂を経て、法道仙人が霊示をえたという忍の滝へ。滝の周辺は羊歯が生い茂り驚くほどの荒れ様であった。龍蔵寺の開基に関わるところだけに、もう少し整備の手をいれて欲しいものだ。
全行程約二時間、龍蔵寺のかつての繁栄の跡をたどりながら、緩急にとんだ山歩きが楽しめるところだ。ただ、危険な場所もあるので、登山に際しては十分な装備をお願いしたい。