篠山の歴史・見処を訪ねる-桑原


桑原の毘沙門堂








桑原の交差点を本郷方面に右折したところのすぐ左手の山麓にあり、大同二年(807)丁亥の年に稲葉六郎という人物が創建したと伝える。毘沙門堂に安置された毘沙門天立像と聖観音菩薩立像は、平安時代後期の作と考えられているが、後世の修理によって初期の姿を損じているのが残念なものだ。堂のある桑原の地名は、桑を植え養蚕をしていたことに由来するもので、一説には和泉式部が植えたのが始まりともいわれている。それゆえであろうか、毘沙門堂の傍らに和泉式部をたたえる供養塔が建立されている。現在の建物は、貞享四年(1687)に建立されたものである。
ところで桑原には「毘沙門の憎む」ところから「鶏を飼ず。偶々畜へば則ち崇を為すと云う。又不時畏れを告ぐ且つ蕃息せず、堂辺の田泥に蛭を生せず」との伝承がある。 はたして、現代も鶏を飼っていないのか?、その確認はできなかった。