覚山天誉上人の墓石がある摂取山光照寺、その西隣に鎮座する宮田天満宮の境内にあるヒメコマツの巨木である。樹齢は推定七百年、高さ4.5m、枝葉は約12mの広がりを見せている。その樹形は、まさに龍が臥せた姿を彷彿させ、臥龍松とも呼べるものだ。 ヒメコマツは険しい山の尾根や岩場に自生する松だが、庭木や盆栽に多用され、葉は針状で五枚ずつ束になって生えることから五葉松と名付けられた。
松はその変わらぬ緑から長寿のシンボルとして尊ばれ、その毅然とした姿から百木の長ともされた。古くから祖霊の宿る木として、門松などに用いられる目出たい木である。天満宮の五葉松は、氏子の篤い保護により樹勢はいまも盛んである。まことに目出たいことといえよう。
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