国道176号線を北上すると、宮田川と篠山川とが合流する地点に架かる二つの橋の間に小高い丘がある。その丘が少将山(茶臼山ともよばれる)で、むかし丹波国司に任じられたという千種少将顕経あるいは藤原少将成経が館を構えたことから少将山と呼ばれるようになったという。風雅を愛した館の主は、とくに琵琶を好み小滝を弾琴の滝、東北方の沼を琵琶が淵とよばれた。しかし、江戸時代の治水工事によって、弾琴の滝も琵琶が淵も姿を消してしまった。少将山が少将の居館であったというのは伝説としても、曲輪跡と思われる遺構もあり、大山庄の経営に関わる役所があったのかもしれない。
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