川北の黒豆畑(後方は盃ヶ岳)
大粒の黒豆が実る
道端の認定黒枝豆販売の店(西紀)
出色、販売店の枝豆オジサン(?)
丹波篠山の「秋の味覚」といえば松茸が有名だが、 いま、松茸に勝るとも劣らない人気なのが丹波黒豆(黒大豆)だ。
その大粒でシッポリとした贅沢な食感は、丹波黒豆ならではのものである。デカンショ街道をはじめ、篠山を通る
主要な道路沿いでは、いまや秋の風物詩となった黒豆の販売所が旬の味覚を販売している。
丹波黒豆の誕生には面白い話が伝わっている。
むかし、川北に情け深い名主がいた。春も近いある日のこと、病に罹って苦しんでいる旅の僧を助け
家で養生をさせていた。 その年は一滴の雨も降らず、田はひび割れ、困った村人たちは
「よそ者が村に入りこむと不幸があるという、名主のところの坊主が悪いのじゃ」
と言い出し、名主のところへ押しかけると乱暴を始めた。 たまりかねた坊さんは、
「名主さんに乱暴をしないでください。お蔭さまで病も治りました、お礼に何か
残していきたい」
と言った。すると村人の一人が、「それでは、この豆に芽を出さしてみろ」と白大豆を黒く煎ったものを突き出した。
坊さんは煎られた豆に願をかけ、ひび割れた田を耕すと、お経を唱えながら煎り豆を丁寧に蒔きおわると何処かへと
旅立っていた。やがて、豆は芽を出し、立派に育っていった。そして、秋にはつやつやとした「黒大豆」が
たくさん取れたということである。
(丹波ぶらり散歩道より)
かくして生まれた丹波の黒豆は、ふっくらとして黒く輝く色つやと皮がむけずに煮上がるのが特徴で「日本一!」
との評価が高い。江戸時代、篠山藩主は毎年、特選の「丹波黒大豆」を将軍に献上して面目を施していたという。
伝説の地である西紀地区川北の「川北黒」、篠山中央部日置地区の「波部黒」がとくに有名であったが、
いまは「丹波黒」で統一されて、品種のさらなる改良に努められているそうだ。伝説の真偽はともかくとして、
丹波黒を茹でた「枝豆」をツマミに飲むビールの味は格別である。
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