やがて、谷筋に出会うと道はゴルジェとなりロープを掴んでを攀じ登るところもある。岩場となった登山道を、 小さな滝をながめつつ登っていくと、山名の由来になった山窩が住んでいたという洞穴があらわれる。間口は5メートル、奥行きは10メートルくらいで、 平なところもあり、なるほど人が住んでいたようにも見える。 |
洞穴をあとにして、さらに登っていくと、畑市との分岐があらわれ山腹の道を登り続ける。やがて、道は堀切状となり、畑市からまがり谷を登って来た道と合流、細尾根を右方向に登っていけばそのまま頂上へとたどり着く。頂上は意外と広く、篠山市の立てた弥十郎ヶ岳の標識、二等三角点が出迎えてくれる。頂上からの展望は抜群で、多紀アルプスの三嶽・西ヶ嶽・小金ヶ嶽が眼前に聳え立ち、西光寺山・白髪岳・松尾山、 夏栗山・黒頭峰など篠山盆地を囲む山々が一望できる素晴らしいものだ。 |
弥十郎ヶ嶽北峰から西方に伸びる尾根にある火とぼし山は中世・戦国時代の山城跡で、弥十郎ヶ岳北方一帯に勢力を張った波々伯部一族の平内が拠った城で平内丸ともいわれる。城址は雑木に覆われているが、木の間越しに北方は細工所から雲部を、西方には波多野氏の主城である八上城が遠望できる。城としての造作は臨時的なもので、
火とぼし山の地名が語るように狼煙をあげるところとして機能したものと思われる。
火とぼし山からは西方の急斜面を下って薬師ヶ原コースと合流、 車で来ていたこともあって吹越峠より四十九院跡を引き返した。 弥十郎ヶ岳への登山は、不便ではあるが公共機関を利用した歩きの方が自由度があってよさそうだ。 今回は四十九院跡からのコースを登ったが、薬師ヶ原・籠坊温泉からのコースを季節を変えて登ってみたい山である。 【登山メモ】 曽地スタート:0905 → 四十九院探索:30分 → 頂上:30分 → 平内丸探索(昼食):70分 |