篠山の歴史・見処を訪ねる-74


小野の宝篋印塔








山陰道小野駅跡から南側すぐのところに、小野氏の屋敷跡があったといい、また西光寺が造営されていた。しかし、中世の兵乱にかかって、すべて廃滅してしまった。いまは竹と樹木に囲まれた古い墓地があるばかりの一角に、美しい形の宝篋印塔が建っている。台座に「宝徳元年(1449)己年十月四日」という記銘があり、室町時代の代表的な作品である。宝篋印塔とは、宝篋印陀羅尼(梵字の呪文)を納める塔で、鎌倉時代に一定の形式ができ、次第に供養塔・墓碑塔として用いられるようになった。