篠山の歴史・見処を訪ねる-05


歴史の散歩道








篠山城南にある馬出の堀を隔てた南、東西に通じる小道が「歴史の散歩道」で、もともとは川筋であった。篠山城を築くとき、城地の東方を流れていた黒岡川を西へ直角に曲げ、南堀端に平行するように流路を変えた。外堀、内堀に加えて、南方の防御に備えたのである。その後、篠山城南地域には下級武士の住居が建ち、御薪蔵、厩と内馬場、外馬場が設けられた。強引に流路を変更された川の流れは極めて不自然なもので、南の地域はたびたび洪水に見舞われた。しかし、城の防御という点から江戸時代を通じて改善されることはなかった。
やがて、さきの大戦後の昭和二十六年、流れを昔に戻して廃川とした。やがて、川床が乾燥してくるとともに遊歩道として整備されたものである。篠山市内でも古い景観が残るエリアを堪能できるとともに、御徒士町武家屋敷群と河原町の商家群を結ぶ道でもある。