意味



家紋は好き勝手に生じたものではなく、そのひとつひとつに深い意味が含まれている。


名字の文字やそれに類似のもの
藤のつく姓が「藤紋」、橘氏流の人が「橘紋」、紀氏流の人が「木瓜紋」など。

美的なもの
たとえば池田氏の蝶、鍋島氏の 杏葉、本多氏の 花筏など。

おめでたいもの
たとえば長寿、家の繁栄、幸福招来などの意味を持った印。たとえば桐、菊、さらに松、竹、梅などがあげられよう。 真田氏の 「雁紋」、伊達氏の「竹に雀紋」など。

記念的な印
久下氏は源頼朝の軍営に一番乗りに馳せ参じたことで「一番紋」、那須与一の子孫の千本氏は先祖の手柄に因み 「扇に日の丸紋」など。

武威の印に因む
たとえば、刀剣、兜、弓矢などがそれだ。剣木瓜や剣梅鉢のように他の紋に添えることも多い。 児玉党の「軍扇」、服部氏の 「矢」、能勢氏の 「矢筈」など。

信仰的な印に因む
榊、弊、などは神道用具、卍や蓮などは仏教系の印だ。キリスト教のなかには十文字を変形したり、儒教信仰から太極図や八卦を用いるものもある。熊野大社の神官・鈴木氏の 「烏」、下諏訪神社の神官・諏訪氏の 「梶の葉」など。


下り藤


揚羽蝶


違い矢





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応仁の乱当時の守護大名から国人層に至るまでの諸家の家紋 二百六十ほどが記録された武家家紋の研究には欠かせない史料…
見聞諸家紋
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