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美保神社は、「青柴垣神事」で有名、出雲国の宍道湖の西端の美保関にある神社である。祭神は、三穂津姫命と事代主神。ただし、この二柱の神が当初から祭神であったかという点に関しては疑問がもたれている。創祀の時期は不明であるが、『出雲風土記』に美保神社の記述があることから、八世紀以前に遡ることは確実とされている。 中世、美保の地には海関が置かれたが、朝鮮との交易港、漁港としても栄えた。史料は少ないが、これによって美保神社も栄えたであろうことが想像される。また、事代主神はエビス様とも称されることは、よく知られているところだ。 ●鳥居/●楼門から拝殿を見る/●拝殿 |
神社の近くを散策すると、古い町並みが残り、往時の活気をいまに偲ばせている。また、神社の目の前がもう海で、この海を舞台として「青柴垣神事」が行われる。事代主命の父は大国主命で、事代主は国譲りに際して、嘆きのあまり美保の浦に入水して亡くなられた、という。 「青柴垣神事」は、事代主の入水の故事を後代に儀礼化し、それを模倣した神事で、いわゆる遺体捜索を起源とする鎮魂の形ともいわれる。そういわれて、神社の前に広がる海を眺めると、古代の権力闘争の悲劇が彷佛としてくるのである。 ●陶製の狛犬/●神紋「亀甲の内に渦雲」/●神紋は「亀甲の内に三つ引」/ ●本殿を背面から見る |