系譜から探る
家系を調べるとき有効なのは、過去帳が挙げられる。過去帳は素直に家系をものがたる基本資料で、先祖がどこからどうしてきたか、
また簡単な事件なども付記されている場合もある。
過去帳がなかったり、過去帳以前のことが知りたいときは、周辺の「言い伝え」や「伝説」を集め、親族はむろん、
できる限り先祖歴代との繋がりを探ってみよう。同時に、近隣の町・村・市などの地域史料や、職業史などの関連すると
ころもチェックしよう。さらに、姓氏や地名もヒントになる。
これらを包含して自家の系譜というものを見直し、家紋の合理的考察を進めてみる。しかし、注意しなければ
ならないのは、神道・仏教・キリシタン・儒教、あるいは禁呪などによる信仰的影響である。それにより、家紋も変形・
付加・改造などの操作がされていることが多い。
信仰のもたらす影響は神道の場合、武家に多い八幡信仰の鳩、春日信仰の鹿、阿蘇信仰の鷹の羽、加茂信仰の葵、
諏訪信仰の梶の葉、天神信仰の梅紋などがある。仏教では実相印の光明を放つ卍、無の字紋。キリシタン信仰の
クルス紋、儒教の八卦紋。陰陽の清明九字紋などがあげられる。
また、政治的な理由でも家紋は変化することが多い。天下をとった徳川氏・織田氏も系譜をしばしば変更したことは、
よく知られている。前田利家の場合は三代にわたって、藤原氏から平氏、そして源氏、菅原氏へと系譜を変え、
その度に家紋も変化させている。
(右上から) 鳩 違い鷹の羽 梶の葉 卍
■織田氏の略系図
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[資料:歴史読本432号]
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戦場を疾駆する戦国武将の旗印には、家の紋が据えられていた。
その紋には、どのような由来があったのだろうか…!?。
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