龍野の町並みの話でんねん


龍野の町家は、18世紀中期から昭和初期までの約200年間にわたる、各時代ごとに現存していることが大きな魅力となってます。 そして、それぞれの時代ごとの建築様式が、保存されているのも大きな特徴です。建て替えの際にも、古い様式を守るとともに町並みの景観に気を配ることで懐かしい景色が保たれています。龍野の町を歩く時は、そんなことにも目を向けていただいて、あの町角やこの川沿いを……のんびりと、ぶらぶらと、レトロな時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【写真:十文字川沿いの片岡家住宅】



町屋の様式を時代的に分類すれば

 18〜19世紀初め  塗り込め型
 文政〜天保期  露出型
 弘化〜安政〜幕末  塗り込め型
 明治初期  露出型
 明治10〜20年代  塗り込め型と露出型が混在
 明治30〜昭和初期〜戦前  塗り込め型 (二階軒高が高くなる)

塗り込め型とは柱を壁面と一体として塗り込んだ『大壁造り』を、露出型とは柱・軒裏・たる木等を露出した『真壁(shin-kabe)造り』を、それぞれそのように呼んでいるようです。時代ごとで、造りが交互に変わっているのも面白いでしょ。それはそれで興味のあるところではあります。……でしょ?



建築年代ごとに町家をみてみれば

 18〜19世紀初め 井口家住宅/ヒガシマル醤油元本社工場事務所/旧円尾家住宅/菊屋倉庫 
 文政〜天保期 片岡家住宅/加瀬家住宅/西村家住宅
 弘化〜安政〜幕末 石原家住宅/野村家住宅/井上家住宅/マスダ縫製新町工場/末廣家住宅
 明治初期 森家住宅/田中家住宅/永富家(市内新町)住宅
 明治10〜20年代 カネイ醤油蔵事務所/ヒガシマル醤油第二工場/末廣家新住宅と工場
 明治30〜昭和初期〜戦前

内海家住宅/旧西播金融跡/うすくち龍野醤油資料館別館(大正)/本館(昭和)

【写真:塗り込め型住宅の内海家住宅】


等など……各時代ごとに残った家を見て歩くのもいいと思いませんか。古いものでは、明暦二年(1656)い建てられた小林家土蔵(土蔵としては日本最古のものとか)もあります。現在も住宅として使われている住まいも多いので、見学の際には最低限のエチケットだけは守ってほしいものです。 【上のイラストは本町地区の連続立面図】


【資料 / 龍野市町並み対策室 発行パンフレット】

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